ariga10dazoの日記

休眠ブログからの再出発なのだな ( ^)o(^ )

讃岐の民話 -3-

さぬきひとくち話

今回もひきつづき満濃池にまつわる話だよ。

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  『満濃池の主になった美女』    

昔、高知の城下にそれはそれはべっぴんさんの姉妹がおった。
ところがこの姉妹、色が白いのはええんじゃが、暑さに弱くてな時々水浴びにでかけたそうや。
おまけに普段から、二人とも体がひんやりと冷たかったんやて。
とうとう人々はあの姉妹は蛇の化身じゃと噂するようになった。
姉妹の親も、たまりかねて二人に家を出て行くように言った。

そんなわけで仕方なく家を出た姉妹やったが、どこへ行く当てもない。
その夜は宿屋に泊ることにした。姉妹は宿屋の主人に言った。
「私たち二人が寝ているところを決して見ないでくださいね」
ところが、そういわれると気になるもので、宿屋の主人は夜中にそっと姉妹の部屋を覗いてみた。
すると、そこに寝ておったんは、なんと巨大な2匹の蛇やった。
腰を抜かしながらも、音をたてないように主人は逃げ出した。
まさか気づかれまいと思っておったんやろうが、その翌朝のこと。
宿屋を出ていく時になって姉妹がいった。
「この家は栄えることはないでしょう」
姉妹は気がついておったんやな。
その言葉どおり、その宿屋はまもなく没落してしまったそうや。

その後、妹は逆瀬川の釜ヶ谷へ蛇の姿となって入っていった。
そして、姉の方は讃岐の満濃池へ入ったそうや。
だから今でも満濃池から釜ヶ谷まで通じている洞穴が水底にあるそうや。
姉妹は時々、その穴を行き来して会うんやろうかな。
高知県には「姉は讃岐の満濃に、妹は安田の逆瀬川」という歌が伝わっているそうな。


  讃岐の民話より